ピピピピッ、ピピピピッと鳴る無機質な電子音。


右腕を伸ばしてベシッと時計の頭を叩いたら、そのまま両手と両足をあくびと共にぐっと伸ばした。


大量に寝汗のついたTシャツが、身体にまとわりついて気持ち悪い。


日当たりが良過ぎる俺の部屋。


扇風機が全く意味をなしていない。


それでもエアコンをつけるのは嫌な俺だった。


「シャワー浴びよ……」


廊下に出て脱衣場の扉を開けると、中が異様に暑かった。


姉貴のヤツ、また窓を開けるのを忘れてやがる。


湿度が上がるから窓は開けておけって毎回言うのに、開けてくれた試しがない。


服を脱いで浴室に入ると、シャワーの栓を開いて汗を流した。


お湯の温度は41℃。


夏にしては熱いけど、俺はこうしないと完全に目が覚めないんだ。