✴︎カノside
久しぶりに来た地球。
学校の帰り、俺は406年前自分が降り立ったところを探しに来ていた。
部活にまだ入って無いから帰りは早い。
今は昼の3時くらいだ。
電車に揺られて15分。
電車から窓を見ると僕の赤い瞳が映った。
いつもは茶色のコンタクトで隠した自分の瞳。
俺は自分の微かな記憶を頼りに電車を降りた。
双子みたいな二つ並んだ山。
それだけが目印だった。
その山らしきものが電車の窓から見えたのだ。
「…ここかもしれない。」
降りてみると、今住んでいる町よりは少し田舎だった。
それでも406年前とは全然違う。
着物を着てる人もいない。
チョンマゲを結ってる人もいない。
何もかもが別物だった。