家に帰った。
風呂に入り、不意に窓を開けてみた。
空に流れる時間はとてもゆっくりしていて、風がヒューと口笛を鳴らす。
星が出ている。
気持ち悪い。
僕は、すぐに窓をしめた。
夜はやっぱり大嫌いだ。
星や月を見たく無いのだ。
母国のあの忌々しい記憶が、悲しみや憎しみとなって血のように体を巡る。
僕は、なぜここに来てしまったんだろう。
留学が決まった時は嬉しかった。
また、会えると。
でも…。
僕は自分の手に持っている『マーブル』を握りしめた。
あいつを困らせてしまう。
でも、伝えたい。
自分の存在を知ってほしい。
自分勝手で、ワガママなんだろうなあ。と自分でも感じる。
でも、思い出して欲しい。
記憶。
僕との記憶。
僕は、星に願うなんて言葉大嫌いだけど星をもう一度みてから、大きく息をした。
あの日彼女とみた、ぎょしゃ座