私は生きてるとはいえないのかもしれないなあ。
ただ、心臓が動いているだけ。
この部屋に閉じ込められて、周りの人がキラキラしているのを眺めているだけ。
美しい言葉で言うと
『髪長姫』
魔女によって、塔に閉じ込められたお姫様。
…はは。そんなことら考えてたら自分がバカみたい。
早く楽になりたいの。
なんでもいい。
病気が完治するか、または死ぬか。
どっちでもいいんだけど。
とりあえず楽になりたい。
…なぜだろうか。
目を閉じると太陽のような彼の顔が浮かんで来た。
まぶたの奥で彼の紅い瞳がこっちをみているような。
そんな気分。
でも、あの人もみんなみたいにキラキラした生活を送っていると思うと、少し腹立たしくなった。
どうでもいいの。
全部。
生きるなんてどうでもいいの。
私はユメ。
夢の無い女の子のユメだ。
私はベッドに潜りこんだ。