寒い。

春がやって来たと言うのに、桜の木はまだ裸である。

水橋沙織、15歳。少々緊張気味。

今日は私の高校の、入学式だ。

正直言って、不安。

でもそれを周りの人間に悟られてはいけない。いつ、どこで敵が自分を狙っているのかわからない。油断は禁物。

だって私は、生まれ変わったんだから。

私はもう、あの頃の弱い北野沙織じゃない。

強い美少女。

それが今の水橋沙織である。