小学3年生___



「こーくんこぉーくん!」


「どうしたん?なっちゃん。」



「あのな、見てこれ!さっきお母さんに貰ってん!」


そう言って差し出してきた夏巴の手のひらに、無邪気に笑う少女にはまだ、似合わんような、赤く光る石の付いた指輪。


「どうしたんこれ?」


もし道で拾ったんなら、警察に渡しにいかな...

僕はちょっと焦ったように聞いた。


「これな、ウチの母さんがくれたん!」

なんや、夏巴母ちゃんのか、、


とりあえず、落し物じゃない事に安心していると、

「あんな、母さんがな、女の子はお洒落していつも可愛らしくしとくもんやねん、ってウチに言うてな、ウチがおっきぃなったら、これ付けな、って!くれたん!」


そう言って、なっちゃんは自慢げに笑う。


「そうなんや。」


僕はそれと対照的に興味無さ気に答えた。

一瞬、む、っとした表情にして、

なっちゃんは僕に聞いてきた。


「こーくん!問題です!デーデン!」

問題、という単語に僕はなっちゃんの顔を見た。

「女の子に聞いちゃダメなこと!
3つ当ててみてや!」

また自慢げにニカッと笑ってなっちゃんは聞いてきた。

女の子に聞いちゃダメなこと…?


何かの謎掛けかな?


んー、と首を捻ったまま考え込んでいると、


「さん!にぃ!いーっち!はい、ブブゥー!こーくんの負け!」


いつからタイム制になったんよ。
負け、という単語と、自由過ぎるルールに僕はムスっとして聞いた。

「で、答えは何なん?」

「もー、こーくん怒らんといてって〜
答えはなぁ、年齢!体重!好きな人!やで!」


は、年齢と体重と好きな人???


「…何でなん?」

好きな人なら、ともかく、別によくない?
特に年齢とか。聞かれても普通やで。


僕は不思議そうに聞いたが、なっちゃんはこうやって聞かれるのを待っていたようだ。