「今保健室の先生いないから、ベッドに運んでくれればいいから。あっ、うなされているようだったら冷蔵庫に入っている氷まくらでも使って!じゃあ!」
華奢な先生は、どこかにすばやく走っていった。俺が断る前に逃げたのかもしれない・・;
ちらっ・・・
俺は美玲というらしい女子を見つめた。俺のクラスは6組・・・。もう4組が移動してる。時間がねぇ。
俺はひとつ前の席のやつに頼んだ。俺より2センチくらい背が低い。
「初対面なのに悪ぃ・・・この椅子2つ教室のはじでもいいからもってってくれねぇかな!?」
その男子も野球をやってるようだ。見てすぐわかる。
一瞬美玲というらしい女を見てから、俺に向き直った。
「いいぜっじゃっ」
そういって軽々と椅子を3つ重ねた。
「わりぃさんきゅ・・・」
そうして、美玲とい・・・。美玲をお姫様だっこした。この状況でおんぶだとダサい気がした。お姫様抱っこもはずいけど・・・。
「きゃぁぁっ☆優くんやるーぅ」
「イイナー」女子が口々に話す。
「頼まれてんだよっ!」ぶっきらぼうに言う。
「お似合いだよね~」
なんとでもいえ。俺は頼まれてんだからな。・・・・
「お似合い」という言葉が頭にのこってる。そうか・・・?
俺は保健室についた。