なんだよコイツ・・・。こんな女はじめてみたぜ・・・
おれはあっけにとられ、少しその女子に夢中になっていた。
校長の話の途中、さりげなくほっぺをつねったり頭を小突いたりしてみた。
けど何も反応を見せなかった・・・。
ますます興味を持ってしまった。
兄貴からはじめの3ヶ月は出席番号順の席だと聞いた。
じゃあ・・・俺の隣コイツなのかな!?
どんな子だろう・・・。
何の番組好きなんだろう。芸能人では誰がいいんだろう。
いつの間にか、一言しか・・しかも途中までしか声をきいていないその女子に一人夢中になっている自分に気がつき、体が熱くなってきた。
やべぇ中学校すげぇ・・・。そんなことを言っているうちに、入学式は終わろうとしていた。
「これで平成○年度成城中の入学式を終わります。礼・・・」
俺は優しいから、隣にいるやつの頭を手で下げてやった。
「一年生は一組から退場してください。何か連絡のある先生はいませんか?」
はーい、と学年主任が足早にステージへ登った。
「一年は各自教室で出席番号順の席で静かに待機するよーに!以上」
頭をかきながら退場していった。
コイツ・・・どうしようと迷っていたその時。
担任の杏子先生が駆け寄ってきた。
「悪いんだけど小野寺君・・・、高城さんの事保健室まで運んでくれる!?」
「ええっ!?」
確かに俺は身長もあるし力もあるし、160cmくらいしかないこのほっそい女は軽く持ち上げれる。
「お願い!今先生たち式の後片付けとかお得意様とお話とか・・いろいろあるのよ。余ってる先生皆力ないから。ねっ、隣でしょ!?」
「ハイ・・・」
俺はひそかにドキドキしていた。