ねぇ・・・私は小学校の時からずっと旬が好きだったんだよ。


旬は気づいてないよね。


だって旬は美玲に話しかけてたもの。



私はその二人を見て笑って、横にいた。


それだけ。




 気づけば美玲はとなりの席の男子にいじられてる。


ほっぺをつんつんしたり頭をぽんぽんたたいたり。


まったく反応を見せない美玲。


隣の男子は笑っている。


・・・美玲とこの人がくっつけばいいのに。



ただ、そう思った。


誰でもいい。美玲に旬を渡したくない。




「これで平成○年度成城中の入学式を終わります。礼・・・」






「一年生は一組から退場してください。何か連絡のある先生はいませんか?」




はーい、と学年主任が足早にステージへ登った。






「一年は各自教室で出席番号順の席で静かに待機するよーに!以上」




頭をかきながら退場していった。





担任の杏子先生が駆け寄ってきた。


「悪いんだけど小野寺君・・・、高城さんの事保健室まで運んでくれる!?」


「ええっ!?」




小野寺君って言うんだ。野球をやってそう。


かっこいいけど・・旬の方が好き。でも顔は小野寺君の方がいいかも;