「美術の時間一人だけ絵の具まみれになって割烹着と防寒着間違える美玲も・・。連休忘れて月曜日の時間割で来る美玲も・・。全部全部・・。」


美玲は静かにたっていた。


「・・・俺はずっとお前だけを後ろから見ていた」


「・・・わかるよ・・・私も・・・優のこと大好きだったよ・・・」


違う 違う 違う 好きのレベルが違う・・・。


「じゃ・・ねん・・だよ・・・」


「え?」


友達じゃだめなんだよ・・・。なんで友達なんだよ・・・。


その時。優は気づいていなかったと思うけれど、実は美玲の気持ちは揺れ動いていた。


旬よりも優は美玲を見ていたと。優は誰よりも美玲を想っていたと。


「美玲。俺はずっとお前だけの隣にいたかったよ」


知らぬ間に涙がこぼれていた。つうっと頬を涙がつたう。


「あ・・・。」


優。優。優。泣かないで。よくわかんないけど・・・あなたの悲しむ顔を見たくないよ。


そんなにしょんぼりしないで。


お願い。


お願い。


おねが・・・。


すっ・・・。


「美玲っ・・・!」


ぎゅっと、優が抱きしめてきた。


「優。泣かないで・・」


私もぎゅっと優の腰に手を回した。