「裕也っ!」



「お似合いですよ、お嬢様。」




お嬢様って言うなっ!




「精神の美。」



「えっ?」



「花言葉だよ。桜の。
お前にぴったりだ。」




そう言って、私の髪にキスを落とす。




「赤くなっちゃって、可愛いやつ。」




ーーっ!なによっ!




「ほら、行くぞ。」




えっ?行くってどこに?




「神山、車を出して。」



「かしこまりました。」




「ねぇ、どこに行くの?
もう、ずいぶんと夜だよ?」



「知ってるよ。」




そのまま、裕也は黙ってしまった。