「……ごめんね。」 「わかったって。」 「ううん、違うの。 本当は裕也のお母さんだったのに。 私のせいで……。」 「そんなこと言うなよ。 血が繋がっていなくても 俺らは兄弟なんだぜ?」 「うん……。ありがとう。」 この時に なぜ気づかなかったのだろうか。 昨日の裕也の切なそうな顔の理由。 兄弟という言葉が意味する現実。 たとえ血は繋がっていなくても 『兄弟』 気づいていれば、こんなに悩み 傷つくこともなかったのに。