だけど裕也が いきなり腕をほどいた。 「ごめん、俺少しどうかしてた。 今日はもう、部屋戻って。」 そう言った裕也の顔は すごく切なそうで、 目をそらすことができなかった。 その時はまだ、 なぜそんな顔をしていたかは 私は知らなかった。 その理由はあまりに残酷で 裕也が一人で悩んでいたなんて 想像もしていなかった。 次の日に待ち受ける真実。 この日の私はまだ知らない。