『あ~!疲れたあ!!』
「声大きいっ!!もう普通に話しても聞こえるでしょ?」
『あ、本当だ。』
二人で木陰の草原に寝転がる。
ドキドキしながら空を見つめてると、コッピが急に言う。
『ねえ』
「なに?」
『…お前…俺が誰なのかとか、聞かねえの?』
「え?」
『え、って…いやその…』
「コッピが自分のことコッピっていうなら、コッピはコッピだよ。それに、その学ランのバッチで3年ってわかるし」
あたしのつけてる赤いバッチと、コッピの赤いバッチを見る。
「コッピが自分の名前言わないのは、言いたくない理由とかがあるでしょ?あたしはそういうの…無理矢理聞くの好きじゃないし?」
横を向いたコッピと目が合う。
あたしの右手にコッピの左手の指が当たって、思わず手を自分の胸に乗せるあたしとコッピ。
『……足、大丈夫か?』
「…平気だよ。ありがと」
空を向くと、飛行機雲が出てる。
その飛行機雲は、真っ直ぐ真っ直ぐ、一点の方向へ向かって伸びてる。