「美咲(みさき)ちゃん。俺ね、ずっと美咲ちゃんの事、好きだったんだよね。」


 ああ、熱い。


 喉も、顔も、ぜんぶ、熱くて熱くて、仕方なくて、……それで、俺、なんか気持ちまでも熱くなって。


 ……あれ、それで気付いたら、そんなこと、口走ってて。


 美咲ちゃんは確か、お酒のせいかもしれないけれど、顔を真っ赤にして、驚いてたっけ。


 バイト先のみんなは、めちゃめちゃ楽しそうに、笑ってた。


 ……それから。


 それから彼女、なんて言ってたかな。


 俺、バカだなあ。


 自分から言っといて、ひとつも覚えてないや。


 でも、まあ、無理なのわかってるし、自分から玉砕しにいったようなものだ。


 言うつもりなんて、微塵もなかったし。


 なんたって美咲ちゃん、親友だって言える、聖也(せいや)の彼女だし。


 ……ていうか昨日、どうやって帰ったんだっけ。


 ……ここ、何処?


 微睡んでいた俺は、そこでやっと目が覚めて、乾いた目にぼんやりと映ったのは、やけにお洒落な見慣れないライトと、クリーム色の天井。


 そこで一気に目が冴えてきて、嫌な予感がして慌てて身体を起こすと、俺は上半身裸だった。


 額に汗が滲むのがわかった。


 ……俺、誰かと寝ちゃったの?