「好きです」



「.....わ、私も.....」






今日この日、カレカノってやつになりました。






「留衣ーー!!」





「おはよ!」




「ねぇ、きぃてー」





「ん?」






この子は、間宮留衣花(マミヤルイカ)



ぱっちりの目に、小さい鼻。うすい唇。コーヒー色の髪の毛に、キレイな白い肌。

留衣ちゃんはいわゆるカワイイ女の子。





少し高めの身長にキュッと締まったウエスト。

出るとこは出てるしねぇー…




それにくらべて、私ときたら.....




胸はCの70あるけどそれ以外は全くのフツー。



はあ、何でこんなにも違うのかな。




おんなじ人間じゃん。





神様ったら…フコーヘーだよぉー泣



突然ですが私は柳瀬心結(ヤナセココロ)って言います。


私の見た目はいたって普通。



チョコレート色のロングヘアーにそこそこ大きいと思う二重の目。


特に背が高いわけでもなく、頭も中の上?てとこ。

運動もずば抜けてできるわけでもない。

何で、こんなに美人な親友ができたのかどうかすらわからない。


いたってフツー。凡人。ボンジン。何で二回言ったんだろ。





「で?何?」






「あ、そうそう!私ね、彼氏できたの!」






「ふーん、誰?」







「麻生くんだよ」





「え?あの麻生?!」





普段滅多に感情を表に出さない彼女がこんなにも驚くのには訳がある。




そう.....





麻生くん。さっきカレカノになったばっかの彼。




麻生陸人(アソウリクト)くん




176センチの身長に、切れ長の奥二重。日本人離れしたスッと通った鼻に、ミルクティー色の髪。しろい肌に、黒い瞳。




なんでも、お父さんがロシア人とのハーフで、お母さんがカナダ人とのハーフだとか。つまり陸人くんには日本人とカナダ人とロシア人の血が混ざっているのだ。




スゴいなぁ。




私もおばあちゃんがアメリカ人って聞いたけどぜんぜんかわいくないもん。



羨ましいなー














「よく付き合えたわね」






「うん。告白されたときはホント、ビックリしたよ」





「告白されたんだ!」


「そうなのー」
ふと前をみると、


「あ、あれ麻生くんじゃないの?」





「あ、ほんとだー!」






目の前には友達となか良さそうに歩いている麻生くん。


それに夢中だった私は気付かなかった。



「おはよう!!」





「あ、はよ」






その二人の背中を留衣ちゃんが悲しげに見ていたことに。






「陸くん❤」




おいおい、語尾にハートマークつけてんじゃねーよ。





「今日一緒に帰ろうね」



おい、あんた誰に向かってゆってんだよ。





「あぁいいよ」





って陸人くん.....



その子は彼女じゃないんだよ?






そう.....目の前の会話、陸人くんのまわりの女の子との会話なのです。






陸人くんがこんなになったのは3週間前。





もう付き合って二ヶ月目なのだけど、一ヶ月記念も陸人くんはなにもしてくれなかった。




付き合いたてのころは一週間記念ー!とか言ってたのに.....




何故か彼は私にだけ、冷たい人になった。






「もう、別れたら.....?」





留衣ちゃんは毎日そう言う。






「うん。もうちょっとで私の誕生日だから、その日まで待つつもりなんだ」





「構わないけど.....後悔しないでね」





「うん.....ありがと」





留衣ちゃんは優しいなぁ。





「頑張りな」





「うん!行ってきます!」




緊張するなぁ。







何に緊張しているのかと言うと、明日は私の誕生日。




だから、陸人くんを誘いにいこうとしてる。





けど、彼のまわりには女の子がたくさんいる。




だから、行こうとしても




「陸ぅー」




.....女の子たちの壁にせばまれて行けないのだ、、、







しかし!!





今行かなかったら後がない!












いざ、出陣!!!!!










「あ、あの!」






言えた!言えたよ!







「あん?」








女子たちが振り向くなか、陸人くんは無表情でそう言う。









女子の迫力と陸人くんの無表情さに少したじろく。







少し俯きながら





「あ、明日一緒に遊べないかな.....?」







「はあ?俺が、お前と?」






あ、だめだ




相手にもしてもらえないや






諦めたとき

「別にいいけど」






え?





ええ?






ほんと?






「ほんと?」







「だからそういってんだろ?」







陸人くんの顔が見れない。






どうしよ、すんごく嬉しい。







もうこのまま飛び上がって、雲の上までいって走り回れそうな気がした。





まぁ、んなことできるわけないけど。







「ありがとう!!」















「留衣ちゃん!!!」







あれ?留衣ちゃんはどこかな?






あ、いたいた






「留衣ちゃん!!!」






もう一度名前を呼ぶ






「あ、心結、どうだった?」







「いけたよ!OKしてくれたよ!」





「そう.....よかったね」






「留衣ちゃん?」







どうしたんだろ、今、留衣ちゃんが切なそうな顔をしたような気がしたんだけど。








「え?な、なんもないよ」







「そう?」






気のせいか






「それで、明日の11時に、マリンピアパークにいくことになったの!」




通称マリンパーク。


マリンピアパークとは遊園地のこと。



遊園地と言っても少し変わっていて海の動物たちがメインの乗り物とかがある。






「楽しみだなあ」







「ふふ、楽しんでくるんだよ」







「うん!」