読み古されていたその本。 開いて見ると一枚の写真が挟まれていた。 そこに写っていたのは 中学の制服を着た瀬良君と 私たちと同じ高校の制服を着た 綺麗な女の子だった。 写真の中の瀬良君は少し気恥ずかしそうに カメラから目をそらしていた。 女の子はとても穏やかに笑っている。 この人…誰なんだろう…。 「こーら。勝手に人のもの見ちゃだめでしょ。」