私と廉斗は、大きなツリーがある公園にきた

「この木の言い伝えしってる?」

「知らねぇけど」

「あのねっ この木の前でキスするとね、ずーっと一緒にいられるんだよ♪」

私のバカ。何言ってんの?

「ふーんってかお前好きな人いんの?」

「まぁね」

「誰が好きなの?」

「秘密ー」

好きな人は廉斗なんて言えないじゃん。

「もしやのー 豚まんが好きなの?」

豚まんとは私たちのクラスにいるおデブのあだ名

「んなわけないじゃん!」

「じゃあ誰??」

「いわない」

「言えよ!言わなかったら、豚まんのことが好きってみんなにいうぞ!」

「やだ」

「豚まんお前のこと好きなんだってさ!
両想いですかー?ヒューヒュー熱いねー(笑)」

「ちがうってば私は・・・」

「いえよ」

言ったらおしまいじゃん。もう仲良くできない。

「言えって言ってんだろ!?」

怖い きれそう

「私は・・・」

「廉斗が好きなの」

廉斗は驚いたように目を丸くした。

「は?なんの冗談?全く笑えないね。」

冷たく言い放った。

酷いよ。ポロポロと涙が目から溢れ出す。


私は耐えられなくなって、その場から逃げるようにうちへ帰った。


これが廉斗と最後に交わした言葉。


それからお母さんとお父さんに女子校に行きたいと言って受験をした。


卒業まで、目も合わさないようにした。

廉斗との思い出とトラウマだけが心に残った 。