「取って喰われたりしないから安心しろ。そもそも、人見知りする柄でもないだろ……」

「行ってきます!」

 わざと声を遮って、床板を踏み抜かんばかりに歩く。
 背後から長い溜め息と、控えめな笑声が耳に届いた。


 くそう。
 何が、そんなにおかしいんだ。