「あんた……女の子を都合いいウルトラな人扱いしてると、そのうち刺されるわよ」
「刺される? 君の場合、嬲り殺しの間違いだろ?」
「わかってるなら結構! さぁ、今日こそスッパリ気持ちよく白黒つけようじゃないの!」
軽くドンッと突き飛ばして、柚月は一歩だけ下がり、距離をとる。
ふたりはじっと睨み合い、周囲は不穏な空気に包まれた。
盗賊の彼らも迂闊に口出しできないほど。
だが、しかし。
しばらく押し黙っていた青年が地味な反撃に出る。
「野蛮人」
ブチイィィッ!
柚月の中にある、何かが音を立てて切れた。