頼まれたって呼ばないのに。 一体、どこで購入してきたのやら。 椅子に座り、テーブルに頬杖をついて、あたふたする柾人を見つめながら。 (ごめん。お兄ちゃん) とだけ、胸中でごちる。 人を信じる、信じないの問題ではない。 人に話す、話せないの問題でもない。 どうしようもない悩みだ。 極端な例えだが、世界が変わって価値観さえも根底から覆らないかぎり、解決しそうにない気がした。