「────説教は嫌いだから、端的に言うわ」
血だらけの不良を引きずり起こす。
「あんたたちって、きっと今まで好き勝手に他人からお金をせびってたんでしょ。そういうのって理不尽だと思うの。だから、私が『あんたたちが気に入らない』って理由でブチのめしてもいいと思うの」
子供に言い聞かせるような口ぶりで、とても物騒な理論を披露する。
この頃になって、彼らは傷の痛みとともに知る。
自分たちが手を出してはいけない人間がいるということに。
「反論も文句も聞かない。だって、あんたたちは相手の言い分を無視してきたでしょ? なのに、あんたたちは反省すれば許されるなんて、そんなの虫がよすぎじゃない?」
ずるずると仲間を引きずりながら近づく女子高生。
外見と不釣り合いな光景により一層、恐怖を煽られる。
柚月はバキバキと右手の指を鳴らして、凄みのある笑みを浮かべた。
「────覚悟、できてるわね?」