当事者の栞と莉子は、さらなる心労を与えることになる。
第三者となれば大抵、極端に心配されるか、頭ごなしに怒られるかのどちらかだ。
春日のように、軽く釘を刺してくるくらいがありがたかった。
柚月だって、見かけた不良たちを片っ端から退治するのが得策だとは考えていない。
今、自分に必要なのは別の手段を講じることだと思う。
「……仕返し、してくると思う?」
「十中八九、考えてる。あいつらは、自分たちのルールで面子とか重んじるから」
「めんどくさ」
「けど、そこから先はヤツらの知能レベルによるね」
真剣な面持ちで幼馴染みがつけ足してくる。
なげやりにアイスクリームと底のフレークを混ぜながら、柚月は眉間に皺を寄せた。
「……どういうこと?」
「柚たちを特定できる情報網を持ってるかってことだよ。名前とか通ってる高校がわかれば、しらみ潰しに探すだろ。きっと」
「なるほど」
器の上部に並べられたイチゴを放り込む。
口にした瞬間、先にメロンにするべきだったかと後悔する。