すると、莉子はしげしげといった様子で見つめてくる。

「へぇ、柚がボランティア……何やってんの?」

「えッ」

 バカ正直に悪党退治と説明できない。


 いろいろ迷った挙げ句、



「そ、掃除……?」

 思わず上目遣いの疑問系で答える。

 見るからに怪しい態度だったためか、莉子の視線が鋭くなった。

「……美形?」

「そりゃもう、とびっきり。柚が『ムカつくほどのいい男』って言うんだから、きっと素敵な人なのよ」

「栞!」

 まるで会ったかのように話す親友(かなり事実は違うが)。
 そんな話をすれば、瞳を輝かせた莉子が身を乗り出してくるではないか。

「柚、紹介して!」

「無理」

 即座に、すっぱりと拒否した。


 何せヤツは、異世界の住人ですもの。
 紹介なんかできるわけない。

 それでも、納得しない莉子は食い下がってくる。

「柚のいけず! けち!
 美形は皆で愛でるものなのに、独り占めする気か!?」


 おいおい。
 我が親友ながら、おっかないことを言うな。