その時、東雲はわずかに目を瞠る。 蒼の石がひび割れ、あとの石は水中に沈んでいった。 鮮やかに輝く朱の石を残したまま。 「もう『偶然』で片付けられないな……そろそろ潮時か」 誰がいるわけでもないのに、そっと呟いた。