...お願いします!

ちょっとだけ期待の中に不安が混ざりつつ、

「おはよう!」と璃久に声かけてすかさずセカンドバッグを目でチェックする。

「おー、おはよ」と言って通りすぎようとした瞬間。



「璃久っ!付けてくれてるんだ!お守り!」

私の目は小さな野球ボールのマスコットを見逃さなかった。

これが恋する力だよね。

「当たり前じゃん。嬉しかったし!ありがとな」

マスコットを手でさわりながら笑って言う璃久。

「じゃ、そろそろアップ始まりそーだから俺行くわ。今日は勝とうな」

そう言って彼は少し小走りで皆の元に行ってしまった。

私の方が嬉しい。璃久って私を喜ばせる天才だ。

「いい感じいい感じ♩」

凛子の声がしてハッとする。

そうだ。私今三人で居たんだ。

恥ずかしい〜!!

「璃久もああ言ってくれたんだし、今日から大会頑張ろうね!ちひろ!」

「桃花!頑張るよ、私!皆で勝てるようにサポートしたい!」

恋する力は本当に大きなパワーになるね。

敵が強くても璃久が勝とうって言ったら、勝てると思ってしまう。