続々と選手がグラウンドに到着する。
セカンドバッグに、ユニフォーム。
これだけでもう皆かっこよく見える。
皆初戦ということでかなり緊張してるのかな。
「あ!」凛子が仁を見つけて思わず声を出す。
「どーしたの?」と尋ねたら、
「ほら、仁のセカンドバッグにお守り。
付けてくれたんだぁ〜!」
「おぉ!ってか、他の部員も付けてるよ!こっち見て!」桃花が興奮したように促す。
そう言って、既に到着した部員が並べているセカンドバッグを見ると皆付けてくれていた。
「やばっ...超嬉しい!眠気吹っ飛んだし!これで今日ちゃんとスコア記録できるわ。あざーすっ!」凛子もはしゃぐ。
私はというと、まだ感動に浸ってて...
なんというか。マネージャーも選手も一緒に戦ってるって示してくれてるような気がして。
改めてチームは一つって実感したんだ。
「ほらぁ〜!璃久来たよ、ちひろ!」
そう桃花に言われてドキドキし始める。
付けてくれてるかな...
別に、私が作ったのは璃久だけじゃないけど、
他の部員が付けてくれてるのに、
璃久が付けてないのはどうしても嫌だった。
やっぱり一生懸命作ったんだもん。
常に野球する時は私のお守りも近くにあって欲しい。
そう思ってしまうのは私のワガママ。
好きだから、その人にだけ欲が出る。