一人ずつ名前を呼んで、前に来てもらって、頑張ってって言って渡す。

私達がテスト勉強も寝る間も惜しんで作ったお守りがそれぞれの持ち主に巡り会えてやっと完成した気がする。

ラスト一個...璃久だ。

中々呼べずに結局最後になっちゃった。

璃久を呼ぶ前には凛子が仁を呼ぶから、凛子が渡し終わったらいよいよ次。

「じーんっ」

少しだけ他の人にはわからない程度、声が甘くなった。

気付くのは、桃花と私と、仁のみ。

「頑張らないとだな、俺」

そう言って可愛い笑顔を見せた仁に凛子は「頑張らないとキスしないもん」

と小声で言った。

すると仁は顔を赤くして元の場所に走って戻った。

いつまでも可愛いままだなぁ仁は。