「大丈夫ですよ。そろそろ懲りたんじゃないですか?」


少し笑って答える。
そっちのほうが先輩が安心するからね。


西『本当か?』

袖を捲り上げられる。
何回も重ねてつけられた痣は黒くなっている。
新しく出来た痣は赤く、紫色の痣もある。
自分でも目を覆いたくなるような体。


西『やっぱり、嘘じゃん。ごめんな。』

先輩は唇をかみしめて、少し震えている。

先輩の悲しそうな顔を見るたびに、これ以上この人を悲しませてはいけない。



いじめのことは何が何でも隠し通さなきゃ。



そう思った。