私を見下すような、幻滅したとでも言うようなその目は温かみのカケラもない。


遼『虎太郎。俺、下で人を集めてくる。』

この部屋に何人かいる中、私を救ってくれそうな人。つまり、遼…。


私の前を通り過ぎる彼は入ってきた扉を開けて外に出ようとする。


「ね、ねぇ。私も行く。」

他の人には聞こえないような声で呟く。
とにかく、何が何でも一人でここにいたくない。


遼『ダメだ。ここにいろ。』

ﾊﾞﾀﾝ…。
閉まった扉を見て怖くなる。


(遼…。遼。遼！)

置いて行かないでよ。
この人たちすごく怖いよ！

私、目だけで殺されちゃう！



彼らに背を向けて扉を見ている私。
いつ、ここから逃げ出そうか。

今すぐ？あとちょっと？



『…おい。』

いや、今すぐの方が！
脚に力を入れて地面を強く蹴る。


はずだった…。