「ようこそ、王牙へ。 大原日奈さん…」 いつもとは違うぴくりとも笑わないその顔は私がよく知っている人で、 おそらく、私が恋心を抱いている相手。 真ん中に座っているってことは… 「…王牙現総長を務めています。 西谷虎太郎(コタロウ)です。」 先輩。 まさか、本当に先輩ですか? だって、私の知っている先輩は優しくてお兄ちゃんみたいな人ですよ? 先輩の豹変に不安になりながらも 高鳴る心臓は鼓動を止めなかった。