さ!上がろう。
お風呂を上がって、服と一緒においてあったバスタオルで体を拭く。
『大きすぎじゃない?』
西谷先輩が置いて行ってくれた服はボカボカだった。
まあ、いいか。
脱衣場を出る。
西谷先輩が居る部屋からはテレビの音と西谷先輩の話し声。
西谷先輩の声は冷ややかだ。
私は部屋の中に入ることが出来なかった。
それでも、意を決して入ろうとした時。
『ふざけんじゃねぇぞ!テメェ!』
西谷先輩が電話の相手に向けて怒号を浴びせた。
『俺じゃ守れねぇんだ。だから、お前に任せた。なのに、なんで泣かせてんだよ!』
あんなに感情的になる西谷先輩は初めて見た。