『ひーよーちゃん!』

君が私を呼んでくれる。
何年ぶりだろうか。

また、あの時のようにたくさん遊べるかな?


君はまだ泣き虫なのかな?


そう思って、隣の家の締め切ったカーテンを見て落ち込む。


隣の家は10年前から宿主をなくしている。


今は誰も住んでいない。


それが、なぜなのかは分からない。




だけど、ひとつ分かること。

この家の主、コータは私におはようと声をかけてくれない。


あの、優しい笑顔を私に向けてくれない。


今、あの面影を追っている私。
その面影は今は写真の中にしかなくて、その写真の時のような笑顔を作ることは私自身できない。





コータ…。



今はどこにいるの?