___あれは、いつの日だったかな?

梅雨の時期でジメジメとした空気が体に張り付いて気持ち悪かったことを覚えている。


その日は1ヶ月に一度の部活がない日だった。

私は前から決めていたバスケットシューズを買いに少し遠出をした。


目的地のお店まで電車で向かい、バスケットシューズを買ったあとはバスで買える。


「お母さん!いってきます!」


リビングに向かって大きな声で叫ぶ。



『気をつけて行きなさい!』



自分ひとりのバスケ用品の買い物は気が楽でとてもウキウキしていた。



私にとって、悪夢の始まりであるその日はいつもと変わらない日常。


そんな偽りに私は簡単に騙され、どん底に落とされた。