春。今年もそのシーズンに入る。


みんなが全力で全国優勝を目指すシーズン。

体育館は、まだ春だというのに暖かくて荒い息遣いが四方八方から聞こえてくる。

掛け声なんかもどこの部活より大きくて全国の器量が見える。



私も、今は全国大会に集中出来ている
幸いにも、いじめの回数はだんだん減っていった。

日常でも部活でも私に無理矢理絡んで、傷を追わせるような行動はなくなった。


でも、それは裏で誰かが止めていたの。

その人が私のために自分を犠牲にしたということを知らない私は、1日1日を有意義に過ごしていた。


彼の存在に気が付かなかった私は、ただその人に守られていただけだった。