もう、だめかもしれない
賑わってる中華街で
わたし1人の声なんて届くわけない
ぎゅっと目をつぶったその時
「_______________琴葉…っ!」
わたしを呼ぶ
わたしが大好きな声が聞こえた
「水、くん…?」
目を開けた瞬間
温かい香りに包まれた
忘れたくても忘れられない
この香りは水くんの香り
「お巡りさん、こっちです!」
その水くんの言葉を聞いて
4人組はあっさりと逃げていった
お巡りさんだなんて水くん可愛いな
さっきの人達、随分とあっさりしてる
やっぱり水くんってすごいな…
怖くて安心して
ぼろぼろと涙が零れて止まらなくて
でも頭は意外と冷静で
そんなことをぐるぐる考えていた