「フローラ、その歌…」




エリックも思い出したように言うと、一緒に歌い出した。








すると箱のからくりが動きだし、光を放った。











「二人とも、待っていましたよ。もっと早く来てくださればよかったのに。」


そこには正装している老紳士が立っていた。


「…あなたは!」





二人がこの世界に来た時、城まで案内してくれた男だった。








「二人は昔から、困った事があると私を呼び出していましたね。あの日も同じでした。」

男はそう言って微笑んだ。






「血相を変えて走って来るのでびっくりしましたよ。」


「そうだった…僕たちをあの星に送ってくれたのも…」


「思い出したようですね。」


「…もしかして、鳥が運んできたあの手紙もあなたが?」


「よくお気付きで。私はフランク様とフローラ様の事をずっと見守っていましたよ。」


「「おじさん!」」


二人はその男に抱きついた。