「どうした?」
「……なんとなく」
玄関を開けた先にいたのは、予想外の人物。
どこか落ち込んだ、玲奈が立っていた。
玲奈と付き合って数か月になるけど
こうやって突然玲奈から俺の家に来るなんて初めてだ。
俺なんかは、気分でしょっちゅう玲奈の家に押しかけるけど。
玲奈を見て、罪悪感が湧き出てきたけど、それを悟られないよう玲奈を中へ招き入れた。
やっぱり元気のない玲奈。
いったい何があったのか……。
物凄く気になるけど、玲奈の場合、無理やり聞いたところで応えてくれる女じゃない。
だから自分から話してくれるのを待つしかない。
だけど目の前の玲奈は儚げで
今にも消えてしまいそうな気がして
たまらずギュッと抱き寄せた。
「凌太」
「んー?」
「……好き…だよ」
胸元で、小さくつぶやく声。
それを聞いた瞬間、体中に熱を帯びたのが分かった。
玲奈と付き合うようになって
両想いになっているのは分かっているけど
なかなか気持ちを言葉にしてくれない玲奈。
その玲奈が、今確かな言葉で俺に「好き」と伝えていて……
「いいの?今止めないと、手遅れになるけど」
「……いいから抵抗してないんでしょ」
俺を受け入れる玲奈を
無我夢中で抱いた。