「お邪魔しまーす」
帰り、コンビニで適当にお菓子とお酒を買って、マンションに帰った。
きっと今日は夜更かし決定。
「お、ちゃんと飾ってあるんだ?」
「……まあね。捨てたら呪われそうだし」
「お前なー」
部屋に入って、凌太が真っ先に反応したのは、いつしかもらった猫のぬいぐるみ。
憎たらしい顔をして、三白眼でにらみあげる黒猫のことだ。
あの当初は、大嫌いな凌太にもらってどうしようかと思っていたけど、今となってはまさかの彼氏だ。
人生、何が起こるか分からない。
「着替えてくる」
「……ん」
凌太を部屋に置いて、一人洗面台に向かった。
ってか……
「やばいって……」
戸を閉めた瞬間、思わず本音が零れ落ちた。
今さらながら、凌太を部屋に招き入れてしまったことを後悔。
泊まりとか、確かに今まで何回かあったけど、今日はちょっと違う気がする。
本当に何もなく、無事に明日になるんだろうか……。
心臓がバクバクと波打っていて、柄にもなく女子としての乙女心というものが飛び跳ねていた。