予想外の言葉を聞き、目を見開いて固まっている岬さん。
構わず言葉を続けた。


「ゲーム……私を落とせるか落とせないか……。
 ずっと続いていたなんて知らなかった。騙されてました……」


あの時、目的を知ってから、そのゲームは終わっているものだと思ってた。


(玲奈。……俺はもう二度と、玲奈を騙すようなことはしないから)


あの言葉を、心から信じてしまっていた。


私はバカだ。
あんなにもずっと、ガードが堅い女であったはずなのに
いつの間にか、気をゆるし、岬さんと過ごす日々に楽しさを感じてしまっていたから……。


悪いのは私。
騙されていると分かっていながらも、拒めなかったから。

だから今さら、責めるつもりもない。




「ゲームは私の負けです。

 あなたの狙い通り、好きにさせられましたから」


「っ……」




そう言って、
私は驚く彼の唇に、そっと自分のものを重ねた。