―保健室―



私は彼にだっこされたまま保健室に来た。


心臓はまだドキドキしている。


だめだ、こんな状況に慣れっこないよ


彼が優しくベッドに下ろしてくれたが、


私はまだうつむいたままだった。


「あれ?なんだよー、先生いねぇの?」


どうやら先生は出張中のようだ。


「しょうがないな」


そう言うと、古屋くんは包帯などを棚から出し、


え?古屋くんがしてくれるの?


私の足に古屋くんの手が触れた瞬間、


びくっ!


びっくりして、思わず足を引っこめてしまった。


「あ、ごめん。痛かった?」


「ち、違うの!大丈夫です」


「じゃあ。巻くね」


古屋くんは優しく私の足に慣れた手つきで包帯を巻いてくれた。


「すごい、、、巻き方上手だね」


「あぁ、サッカー部で何度もそういうのやってるから」


「あ、なるほど」


それから無言な状態が続いたが、


「よし!できた!」


古屋くんが手を離すとそこには丁寧に巻かれた包帯があった。


「ありがとう」


「念のためにしばらくは動かないほうがいいな、あと、一応医者に見てもらったほうがいいよ」


「うん。そうするね」


でも、しばらくは古屋くんと二人三脚の練習が出来なくなる。


「ごめんね。古屋くん。私のせいで練習出来なくなっちゃって」


「だいじょーぶ!気にすんなって!」


そう言って古屋くんが頭をぽんぽんしてくれた。


っっ!


また私の心臓がまたドキドキと鳴りだす。


「今は足を治すほうが大切だよ」


笑いかける古屋くんはとっても優しくて


私の心臓はドキドキが増すばかりだった。