私はフラフラと、保健室のドアをノックし、ガラガラと中へと入っていった。

若い女の医務室さんが私を見ると、「あら、熱がありそうね」と言った。

医務室さんは私を長椅子に座らせると、体温計を差し出した。

「季節の変わり目だからね。体調崩す子多いわね」

やがてピピピと体温計が鳴った。

38度2分。あらら。

「しばらくベッドで休んで。落ち着いたら帰るといいわ」

そう言って先生は私にカゼ薬を飲ませた。

ベッドに横になる。ああ、消毒液の匂いだ。

安心する。

半ばまどろみながら、休んでいたところだった。

ガラッとドアが開き、そこへ息をはあはあとあがらせた、学生らしき人が入ってきたようだ。

カーテンで仕切られているから、誰か解らないけれど。

はあはあ、ぜいぜい、と、かなり呼吸が乱れている。

「あなた、また走ってきたの? 死ぬわよ」