「ちょ、梨聖、顔赤いよ」

次の講義の教室へ入り、友人の帆乃香たちの席へと近づくなり、そう言われた.

「あー。何かダルいわ」

頭が重い。フラフラする。

「熱あるんじゃない?」

「あるかもー」

私は鼻水をずずっとすすった。

「何も、家で休んでればいいのに」

「出席とるじゃん。このコマ」

「代返してあげるってば」

「うんー」

「保健室行って、とりあえず休んでから帰りなー」

帆乃香の面長の顔が二重(にじゅう)に見えるよ。

ヤバイなー。

「倒れるんじゃないよ」

「ふぁい」

私は降りてきた階段教室を、再度昇っていった。

保健室は、この建物を出て、すぐ目の前の新しい建物にある。

同じフロアには教務室やら学生科がある。