「じゃあな」

「じゃあ……」
 
リュックを背負いながら、去り際に彼は言った。

「あんたらふたり、似てるよ。雰囲気が」
 
想太はゆっくりと去って行った。

「ごめんね、夢くん。変なことにつきあわせちゃって」
 
夢くんは首を横に振る。

「これで、梨聖ちゃんを独占できるってわけだ」
 
そう言って、おでことおでこをこつん、と突き合わせてきた。
 
私は、幸せの絶頂にいた。
 
これから起こる、あれやこれやも知らないで。