ずっと私のスマホの画面を見ていた帆乃香が言った。

「だって。どう返せばいいのよ」

「ん~。もうちょっと優しく……“帆乃香たちと約束があるから、行けません”とか」

「優しくなんてしたら、つけあがる」

「梨聖ってそういうひとだったっけ」

「自分でも、ここまで酷いヤツだとは思わなかった」
 
どうしても、夢くんと一緒になりたい。
 
その気持ちが、私を突き動かす。
 
夢くんへと、真っ直ぐ進む道。
 
障害物があったら、ひょいと避けてひたすらに夢くんを目指すの。
 
だから、想太のことでもう、悩みたくはない。
 
朝のメールといい、1日に2回も送ってくるなんて、想太らしくない。
 
よっぽど、私のことを――。
 
嬉しかった。
 
きっと、嬉しかった。
 
夢くんと出会う前だったら、嬉しかったはず。