「ナンパというか……」
 
ナンパという言葉は、似つかわない。
 
出会うべくして、出会ったのだ。
 
それは、きっと、必然。

「会ったばかりのふたりには見えなかったな。仲のいい兄妹みたいだった」

「そう? それは嬉しい」
 
夢くん、今頃何やってるのかな。
 
講義に出てるのかな。
 
ピルルル……ピルルル……。
 
そこで、私の鞄からメール着信音がした。
 
夢くん?
 
思いが通じたのかしら。
 
そう思ってぱっと起き上がり、スマホを開いた。

「誰? 噂の彼?」

 帆乃香が覗き込んでくる。

「……想太だ」