私たちは、その恩恵にあずかっているというわけだ。

持つべきものは、顔の広い友達だと、改めて思う。

「メニュー決めた?」

私が言うと、

「チョコバナナ~」

と、両手を挙げる帆乃香。

「私は苺」

人差し指を立てる鈴。

「梨聖は?」

「私はまだ、メニュー見てないんですけど」

テーブルの上には、メニュー表がふたつしかなかった。

先にふたりにとられてしまったのだった。

「じゃあ、私が決めてあげる。ん~、塩キャラメルね」

勝手に帆乃香が決めてしまう。

「塩キャラメル~?」

私は思わず声が出てしまう。