「梨聖ちゃん」

「――渡海さん」

出会ってからの数日後。早速キャンパス内で彼に声をかけられた。

やっぱり、格好いい。

その姿を見ただけで、ドキッとしてしまう。

私は、3コマの講義が終わって、これからどうしようかと考えていたところだった。

「これから授業ですか?」

「うん。だけど――いいや。ちょっとお茶でもしない?」

背の高い彼と話す時、私はちょっと頭を上げる形になる。

「はい」

私は渡海さんの申し出に、心からの笑顔で頷いた。

彼が先立って歩き出す。私はそれについていく。