いつまでも、一緒ね、夢くん。
 
夢くんのコートのポッケには、この部屋の合鍵を入れた。
 
いつでも、彼が帰ってきてもいいように。
 
そして、夢くんが描いた、私の似顔絵。それに、バースディプレゼントの、アクアマリンのピアスをつけた。
 
丁度、耳のところにピアスを刺す。
 
私のお守り。アクアマリンは、守りの効果があるって、いつか夢くんが話してくれたっけ。

「よし」
 
私は今日もふたり分の夕食をつくろう。
 
夢くんは何が食べたい?
 
ハンバーグ? オムライス? パスタ?
 
壁の似顔絵に尋ねてみる。
 
返答はないけれど、鉛筆画の夢くんは、にこにこと笑みをたたえている。
 
そして今日もビールで乾杯。
 
耳をすませば、夢くんの安らかな寝息のBGMが聞こえてきそうだ。

おやすみ、夢くん。
 
どうか。
 
どうか、よい夢を――。