しかも、お兄ちゃんお姉ちゃんまで、夢くんとつながりがあるっていうの?

「梨聖ちゃん」
 
――例の、話だ。

私のお父さんが、私の横に座った。そして、お母さんが私の左横。

真向かいに夢くんのお父さんとお母さん。

夢くんのお父さんとは、初対面だ。ロマンスグレーの頭。

口の上にはたっぷりと銀色のひげがたくわえられてある。

夢くんが年齢をとったら、このおじさんのような顔になってたのかな。

「さて、梨聖」
 
お父さんが切り出した。

お姉ちゃんとお兄ちゃんは、どこかへ行ってしまった。

「君が幼い時、自動車事故でご両親が亡くなって、君のお母さんの姉にあたる彼女が、新しいお母さんになったのは知ってるね」

お父さんが、私の横のお母さんをちらりと見て話を続ける。

「お父さんお母さんは、伯父さん、伯母さん。お兄ちゃんとお姉ちゃんは、従兄弟になるんでしょ」